私は家族で小さな温泉宿を営む者です。数年前から身近な方をお招きして「小さな宿の勉強会」を開くようになりました。宿の宴会場を使い、昔の寺子屋スタイルでのちょっとした講演会という雰囲気です。最初は数ヶ月に1回程度でしたが、いつのまにか勉強会の会員の方が次の講師を引き受けて下さる方を探してくれたり推薦して下さるようになり、最近では月に2~3回開催できるようになりました。
実はこの「小さな宿の勉強会」の講師を引き受けて下さる方は、友人知人やご近所の方、近隣町村そして宿の宿泊のお客さまだったのです。それぞれ得意分野の専門のお話でつないでいただき、チャンスがあれば各方面で活躍されている著名人の方にお願いしているのです。
先日、ある方から言われたことが少しショックでした。「そんなに勉強会をやって少しは役に立っているのか?」「聞いているだけでは何の問題解決にもならないじゃないか。」というご批判をちょうだいしたのでした。それぞれの立場の人の話を聞くということはとても大事なことだと思うのですが、もしかすると話すことよりじっくり人の話を聞くこと、聞く力を身につけることのほうが難しいように感じます。90分間、話を真剣に聞くということは、実はそれだけでかなりアカデミックなことなのかもしれません。
この講演会のスタンスは「地域の人のためになること」「地域おこしの勉強会であること」「地域の人に楽しんでいただけること」の3つの柱で成り立っています。不思議に思うかもしれませんが、内容はIT関係やネットビジネス、起業独立、地元の文化や歴史、その他観光、経済、教育、福祉、環境などさまざまなジャンルに広がります。ただし行き着くところはただひとつなのです。私たちの「地域づくり」のため、次の時代の人材育成だと考えております。
そこで最も重要なことは、会員の私たちがつねにモチベーションを高く持ち続けるための方法です。いろいろ模索した結果、本気で夢や希望を熱くまっすぐに語ってくださるすてきな先生方や仲間との出会いが一番大切だと気づき、この勉強会が今まで回数を重ねることができたのかもしれません。
講演後に毎回、懇親会を開き、講師先生を前にして一人数分の自己紹介と感想を述べていただきます。一回りするまでには1時間くらい要します。その後は夜更けまで、オフレコの最新情報の交換です。これは私にとっても至福の時間かもしれません。本当はたくさんの方にいつもお聞きいただきたいのですが、小さな宿なのでそうもいきません。また、毎回ジャンルがバラエティーに富むせいか、参加いただく方もその都度すべて参加というよりも、むしろ興味のあるテーマのときに参加いただく方が少なくありません。それが自然であり、私はそれで良いと思います。それに無理にお願いしてお集まりいただくよりも、ご自分の意志で参加されたほうが勉強にも身が入るのではと思い、今のようなスタイルになりました。
次回は24日午後7時からの開催です。タイトルは「私のネットショップの改善と新手法について」。講師はやはり知人の紹介で、新潟市内で紳士服を販売する松原功氏です。ご興味あります方はどうぞお待ち致しております。
第101期民報サロン執筆 塩田恵介会津柳津温泉「花ホテル滝のや」経営。河沼郡柳津町柳津在住、46歳。旅行会社に3年間勤務したあと家業を継ぎ、現在は多彩な分野の人を招いての講演会を毎月開催。趣味は観光ボランティアガイド。 |