「13」という数字や「13日の金曜日」というと、縁起の悪い日と感じる方や想像する方が多いようです。私も柳津町に嫁ぐ前は、何となくその日は何事も起こりませんように、などと心の中で思っていたりしたものです。「13日の金曜日」と「イエスキリスト」でインターネットで検索しますと、なかなかわかり易い解答が得られませんでした。それだけ不思議な日と言えるのでしょうか。
さて私たちの柳津町では、なんと「13」という日はとても縁起の良い日と言えます。なぜかと言いますと、柳津温泉街の中心にある圓蔵寺(福満虚空蔵尊)におきましては、毎月13日がお寺の縁日にあたる訳です。地元会津の方の中には、月参りと称して昔から毎月参詣されている方がたくさんいらっしゃいます。
またこの圓蔵寺の仁王門をくぐっての表参道の石段は、いつの時代にも113段に仕上げられていると言い伝えられているそうです。なるほどどちらかといえば、「13」という数字を大切にしている街なんだなと私は思いました。
それに古くから近郷近在、隣接県からも毎年たくさんの親子連れがお参りされます「十三講参り」という習慣が今でも続いております。小学6年生か中学1年生のお子さんとご父兄の団体で参詣されています。「13歳からはあなたも大人扱いですよ、自分のすることには責任を持ちなさい。」という教えがお参りされている親御さんから聞こえてきそうですね。
お寺の案内役をする主人は、ときどきこのような団体のお客様をガイドしています。そして境内の「撫牛」の石像の前でいつもクイズを差し上げるそうです。「この牛の像をいつも撫でていると、撫でたところが良くなるんだよ。目が悪い人は目を、お腹が弱い人はお腹をという感じで、そう私はそれを信じて小さいころからずっと頭を撫でておりました。ところがいっこうに良くなりませんでした。小学5年生のあるとき、境内で遊んでいると偶然にも方丈(住職)様に出会いましてお聞きしました。どうしていつも頭を撫でているのに僕は頭がよくならないのですか?さて方丈様はここで少年になんとお答えになったのでしょうか、というのが問題です。」果たしてこの解答はとんちクイズに近いですから、なかなか正解は難しいようです。方丈様のお答えは「いつも撫でていたんだね。お利巧だね。撫でていたおかげで、(君の頭は)それぐらいで済んだんだよ。わかりますか。」お聞きになっているお客様は、なんだか少し笑ってくださるそうです。
このお話しを聞いてから、物事や出来事はその人それぞれのとらえ方、感じ方でさまざまなわけですから、私は自分の気持ちの持ち方や考え方次第で、如何様にも変われるものなんだと感じました。どなたにもあてはまる人間の誰もが持っている弱い部分を根源的根本的なところで、気持ちが軽くなるような素敵な教えをいただいたと思いました。
西洋の方にとって「13日の金曜日」が例えどんなに嫌な日と考えられていたとしても、この会津柳津のお寺のお話を想いだして、福満虚空蔵尊の方角にでも手を合わせていただければ良いと思います。そうすれば逆にその日一日、何か良い事が起きるかも知れませんよ。
そう考えることができるようになってからは、私はそれほど「13日の金曜日」を特段恐れたりするということはなくなりました。
■頂いたコメント
第85期民報サロン執筆 塩田美紀会津柳津温泉「花ホテル滝のや」若おかみ。河沼郡柳津町柳津在住、35歳。現在同ホテルのホームページ上で『若おかみの小さな日記』を日々更新中。洋裁などが趣味。 |