第5回 「赤べこ発祥の地」(2001/09/22掲載)

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 普段何気なく見かける赤ベこの玩具、県内在住の方ならおそらくどなたでも、張り子の赤べこをすぐに思い浮かべることができるでしょう。そして今では「赤べこ」という言葉は、まさに福島県全域を示すイメージと考える方も少なくないと思われます。

 さてこの赤べこの発祥の地が、私の住む柳津町の圓蔵寺(福満虚空蔵尊)に起因しているということを、ご存知の方は少ないと思います。インターネットで「赤べこ」を検索すると一二○○件以上の項目が確認できますが、「柳津町」プラス「赤べこ」で同じように検索すると、わずか十五件しか見つからないのです。予想はできましたがとても残念な結果でした。そして私はもう少し「赤べこ」について調べてみようと考えました。

 五、六年前裏磐梯、吾妻地区の浄土平のレストハウスに立ち寄った時、赤べこの他に張り子の「とら」もたくさん飾って販売してあったことに、私はとても感激してしまいました。なぜかというと福満虚空蔵尊は丑歳、寅歳生まれの方の守り本尊なので、その昔から「赤べこ」と黄色の「とら」で一対となり、厄除けや民芸品として、またはご利益のある品として大事にされていたそうです。今ではこの柳津の温泉街や会津各地のお土産品店でも「とら」まで見つけるのは困難な事のようです。

 ところで「赤べこ」の伝説については、いくつかの説があるようです。中でも私が嫁いでからうかがったお話を紹介します。今から千二百年ほど前、この地に徳一大師様がお堂を建立しようとして、たくさんの牛とともに大木を運搬していると、どこからともなく他の牛たちよりも身体が一回りも二回りも大きな牛が数頭現れ、どんどんけやきの大木を運び、遂に完成したそうです。その後その牛たちはフッとすべて姿を消してしまった、という伝説です。その大きな牛たちは身体が赤まだら模様をしていて、人々は「神様の使いの牛たち」と考えたのでした。この話は今でも民芸品の赤べこの箱の中に記されています。

 赤べこ発祥の地でありながら、はたして私たちは今まで充分にPRできていたのでしょうか。福島県全体のイメージとして膨らむことはもちろん嬉しいことですが、遅ればせながら我が柳津町にもこのような不思議な伝説があることを、もっと宣伝していきたいものです。PR活動の手法や手段については、専門のスタッフにお任せしたとしても、そのアイディアや発想などは広く町民から募っていただけたらと思います。

 例えば今までのお土産品の他に、子供が喜ぶような「赤べこ」や「とら」のマスコットや手作りぬいぐるみなど、こだわりの品々を開発して欲しいものです。また、街中を観光散策して、自然に記念撮影をしたくなる場所にさりげなく「赤べこ」の大きな像があったりしたら良いのにと思います。そしてあわ饅頭やくり饅頭の他に「赤べこ」に関する新たな名物になるようなお菓子などができればと考えています。もちろん温泉街に宿泊されたお客様にも、何か素敵なご案内やプレゼントをしたいところです。

 とにかく私たちの町は「赤べこ」について特化した、日本一の町として誇れるように、日々熟慮し宣伝していきたいと思います。なぜならば、その事により全国の旅行者のお役に立つ情報を提供できたり、大きな観光資源として誘客につながることと信じているからです。

第85期民報サロン執筆 塩田美紀

会津柳津温泉「花ホテル滝のや」若おかみ。河沼郡柳津町柳津在住、35歳。現在同ホテルのホームページ上で『若おかみの小さな日記』を日々更新中。洋裁などが趣味。

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